りんごの木ゼミナールVol.2 自己肯定感が高まる言葉がけー言語習得の視点から

今回は言語学の研究者である加藤直子さんに子どもの自己肯定感が高まる育児のコツについてお話を伺いました。

naoko【プロフィール】

加藤直子

お茶の水女子大学博士後期課程所属。お茶の水女子大学グローバル教育センター日本語非常勤講師。小2 と幼稚園年長の女の子、二人の育児をしな がら、お茶の水女子大学で研究と留学生への日本語教育を行う。研究 テーマは日本語習得・異文化で暮らす外国人妻の支援。

 

自己肯定感が高まる育児のコツー言語習得の視点から

先日参加した文京区私立幼稚園PTA連合会主催の講演会「子どものこころのコーチング」でのお話をもとに、子どもの自己肯定感を高めるための育児について少しお話します。講師はNPO法人ハートフルコミュニケーションの菅原裕子先生でした。講演では、子育てにおいて、

「愛すること」、「責任」、「人の役に立つ喜び」を子どもに教える重要性を説いていました。特に興味深かったのは子どもへの具体的な声掛け方法です。

子どもが豊かに育つ声掛けとして、「あなた言葉」ではなく「わたし言葉」を より多く使うとよいのだそうです。

例えば、子どもがお手伝いをしてくれた時には、普段なんと言っていますか?
「あなた、偉いわね。」、「あなた、すごいわね。」というように
「あなた(子ども)」が主語になる褒め言葉を使うことが多くないでしょうか?

しかしながら、先生のお話では、

「あなた(子ども)」が主語になるのではなく、「私(ママ)、嬉しいよ。」、「私(ママ)、助かるわ。」という、「私(ママ)」が主語になる褒め言葉を使うと、子どもがより 人の役に立っているという充実感を味わい、心が豊かに発達するというのです。

小さな子どもであっても、自分が頑張ることで、『誰かの役に立っている』、 『誰かの喜びにつながっている』という経験を積み重ねるできます。そういった経験を積んだ子供は、 自己肯定感(ありのままの自分が受け入れられているという思い)が、高くなるそうです。

なるほど!!と納得の内容でした。

言語習得では、しばしば視点が重要になってきます。例えば、「行く」と「来る」の違いを考えてみると、「行く」というのは自分の領域から相手の領域への 移動を意味します。「来る」とは相手が自分の領域に移動してくることを意味し ます。日本 語では「行く」と「来る」は視点が全く異なるのです。こうした視点は、何度 も「行く」「来る」の動作を体験し、言葉を使用していく中で習得されると言わ れています。

 視点を学ぶという意味で、菅原先生の提案する子供への声掛けというのは、
とても 意味のあるものだと思います。

自分の行動を、自分の視点(自分が偉い、自分がすごい)だけでなく、他人の視点(ママが喜ぶ、ママが助かる)から感じることができる子供というのは、自分の行動に関して客観的な視点を多く持つことができ、結果、自分の行動の影響が他者にどのようにでるのかということをしっかりと考えることが できるようになるのでないでしょうか。

子どもの視点を変える声掛け、ぜひお試しください!!

りんごの木ゼミナールVol.2 自己肯定感が高まる言葉がけー言語習得の視点から への5件のフィードバック

  1. KEKO のコメント:

    子供の頃、親に喜んで欲しくて寝る前にいつもこっそり両親の歯ブラシに歯磨き粉をつけ、コップに水をくんで置いておいたのを思い出しました(今になって気付く、全然ありがたくない行為^^;)。
    そうか、子供は親に喜んで欲しいんだ!「○○、エライね〜」中心だった声がけ、「ママ、嬉しい!」に変えてみます。

  2. akko のコメント:

    日々の会話の中で気をつけるって本当に難しい事ですよね。子供が大きくなるにつれ、会話の進行が早いので大変です。「私(ママ)、嬉しいよ。」ってメッセージ、子供だけでなく、ご主人とか、お友達とか、周りの人にも言えてるかな?って思いました。子供と親の関係、自分と周りの人の関係、根本は同じですよね!子供と共に成長するっていいますが、日々精進ですねー!

  3. hisako のコメント:

    うちは「ママ助かるでしょ?」といちいち聞いてくるから、「すごい助かるわー」って連発していたので、これを読んで、だから半虐待ちっくでも、めげずにいい子でいてぅれているのかなと勝手に納得しておりました。

  4. hisako のコメント:

    でも、akkoさんのコメントで、身近な夫には出来てない自分にハッとしました。言葉にしてこれ夫育てで使います!

  5. naoko kato のコメント:

    皆様のたくさんのコメント、大変興味深く拝読させていただきました。本当にありがとうございます。

    comeには、第一に自分の方へ「来る」、第二に相手の方へ「行く」という意味がありますよね。

    日本語の場合は「行く」と言ったり聞いたりすれば必ず視点が自分から相手の領域へ移動を意味するわけですし、「来る」と言ったり聞いたりすれば必ず視点が相手が自分の領域に移動してくる意味になるわけです。言葉とは奥深いものです。

    視点を利用した言葉がけ、確かに夫にも使えるかもしれません(笑)

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