ヒサコラム ドイツ人の食卓事情〜どうやってジャガイモと肉以外から栄養を摂取しているのか〜

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病院食の一例。うわさのKaltes Essen。

郷に入って長らく経ちますが、どうしても郷に従えないものがあります。それはドイツ人の食文化です。入院した時の夜ごはんの質素さは、ものすごいカルチャーショックでした。大きなお皿に大きな蓋。その蓋をとると、中には薄く切られ、冷たく硬い浅黒いパンが2枚。そこにハムと薄く切ったきゅうりが2枚、鎮座しておりました。そして、申し訳なさそうに、りんご1個がお皿の外についていました。しかも毎日こんな感じ。いやがらせかと思うほどでした。その後、観察すればするほど、ドイツ人の食卓は、日本のそれとは異なることがわかってきました。そもそも、食に対するこだわりは概して少なく、研究と交配を繰り返し、いかに甘く美味しいフルーツや野菜を作ろうという日本人のような努力は、さほど見受けられません。そのかわり、ドイツ人には旬のものを旬の時期のみ楽しむということには拘りがあるよに思います。

そんなドイツ人のキッチンは、ドイツ製のおしゃれな器具がならび、とてもキレいな印象。なぜか・・・お察しのとおり、あまり料理をしないからです。そりゃ使わなければキレイぴかぴかのままなはず。朝も夜も冷たい食事(Kaltes Essen)なので、殆ど火を使わないのです。朝はちょっと甘いものを口にすると頭が働くと思っているらしく(イタリア人しかり)、多くのドイツ人はパンに甘いジャムをつけて食べます。夜はパンにハムやチーズ、オプションが多い家では、きゅうりやトマトを乗せて食べます。決してマヨネーズは使いません。バターやフレッシュチーズ(Freischkäse)をパンに塗り、その上にオプションを乗せます。バターやフレッシュチーズ系の種類は豊富で、そこにトマトペーストやハーブなどを混ぜ込んで、少しの味の違いを楽しんでいるようです。また、お昼はスープやパスタ、お肉と茹でたじゃがいもなど、昼のみ温かい食事(warmes Essen)をとる傾向にあります。

また、ナイフ使いの日独の違いにも度肝を抜かれました。大学のゼミ合宿の時でした。テーブルを囲む人々は、各々ナイフを手にして、共有するジャムの瓶やバター、フレッシュチーズなどの中に自分のナイフを突っ込んでは自分のパンに塗っていました。日本人の私の初めての印象は「汚い!!!」の一言でした。私だったら、ジャムにはジャム用のスプーン、バターにはバターナイフといったように、共有するものすべてに専用スプーンやナイフを置きます。ドイツ人は、それはしません。「え?バターとジャムが混ざってしまうのでは?」と不安になりましたが、心配ご無用。例えばまずバターを自分のナイフを使って、パンに塗ったとします。すると、その後にパンにナイフをこすり付けて、ナイフをキレイにするのです!そして、次はジャムといったように、自分のナイフ1本でなんでも塗るのです。

このように、冷たい食事を朝晩食べているドイツ人ですが、日本人に比べ、平均的に骨太で、身長も日本人よりも大きいのは周知の事実です。ではどうやって栄養摂取しているのでしょうか?独断と偏見ですが、以下の3つのことが関係していると思います。

⚫️ 一つ目は「野菜をナマで食べること」

おそらく、ドイツ人は鮮度の高いものをそのまま食べることで、ビタミンやミネラルを摂取しているようです。子供のおやつも生パプリカ、きゅうり(なぜか皮をむく)、生にんじん、生コーラビ、トマトです。

⚫️二つめは「フルーツを皮ごと食べること」

りんごの皮をむかないのは当然で、ぶどう、桃、洋梨の皮もそのまま食べます。また、スイカなどは白っぽい種なら食べてしまいます。ここからも、日本人以上の栄養を取っていると思われます。

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ほうれん草サラダにクルミは定番。他にも松の実などを入れます(筆者による再現)

⚫️三つめは「ナッツ類・たね類をやたらと食べること」

白い小麦粉でできたパンは不自然で不健康というイメージがあるようで、ドイツ人はあまり好んで食べません。むしろ中にかぼちゃの種やひまわりの種、ハーゼルナッツやくるみ、干しぶどうや干しイチジクなどのドライフルーツをもパンに練り込み、大麦(Roggen) スペルト小麦(Dinkel)、小麦粉はできる限り全粒粉(Vollkorn)の混ざった、固めのパンを食べます。パンがふわふわしていることを奇妙で不自然だと思っている節があります。パンのかわりに朝ミュズリー(müsli)を食べる家でも、ミュズリーの中にドライフルーツやナッツ、種が混ぜ込んであります。また、よくサラダにもくるみや松の実などの種をいれて食べます。

独断と偏見ですが、このような食事によって、ドイツ人はジャガイモと肉の生活の中で、他の栄養素を摂取しているようです。朝晩、調理をしなくていいドイツ人家庭ですから、家事の負担も少なく、ある意味羨ましいですが、やはり私は日本の繊維の多い野菜と海藻、お魚にあったかいご飯を欲してしまいます。

ぜひ、みなさんもドイツ人の食生活を観察してみてはいかがでしょうか?

文責 管理人ヒサコ

ヒサコラム ドイツ人の食卓事情〜どうやってジャガイモと肉以外から栄養を摂取しているのか〜 への2件のフィードバック

  1. めんめ のコメント:

    興味深いレポートありがとうございます!
    以前、日本土産に乾燥芋をドイツの方にあげたところ、いたく気に入り、自分であげといてビックリした覚えがあります。考えてみればあれも一種のドライフルーツ(笑)ですね!

  2. ひさこ のコメント:

    めんめさま、コメントありがとうございます^_^確かにドライフルーツ好きドイツ人には、最高ですね。干し芋がドライフルーツであること、日本人は失念しがちですね。干し柿とか。横文字にすると違和感あるけど、れっきとした日本の誇れるドライフルーツだ!

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