ヒサコラム ドイツの縦割り保育についての回想録

IMG_5233ドイツの幼稚園は基本的には縦割り保育制度を採用しています。つまり、3歳・4歳・5歳・6歳が同じクラスに混在したクラス編成になっているのです。日本で育った私とにとって、同じクラスに歳の違う子供たちがいること自体、想像し難いものでした。知能や体格も近い同じ歳の子が一緒に遊ぶ方が、子供にとっては楽しいのではないか、その方が刺激が多く、お互い高め合えるのではないかというなんの根拠もなく、漠然と縦割り保育に対する不安を抱いていました。

しかし、体験すればするほど、縦割り保育に対する偏見と不安はすーっと消えていきました。大きくなればなるほど、幼稚園がつまらなくなるという私の予想とは裏腹に、「幼稚園がぎりぎり閉まる1分前までお迎えに来ないで」と懇願される始末です。年長になっても幼稚園が楽しすぎるのです。

子供達を見て、そして子供の話を聞いて思うのは、年齢の違う子どもたちの共存から、お互いに学び合うことが多いということです。そもそも社会とは、年齢の違う人たちが混在しているものであり、それを小さいうちから体験して、弱く小さいものへ配慮し、必要に応じて助けてあげることを園生活を通して学んでいるのです。たとえば、まだうまく状況説明ができない年齢の子が怪我をした時、それを見ていた大きい子が、手を引いて小さい子を先生のところに連れて行き、先生に代わって何が起きたかを説明してあげたり、お水を飲む際、小さい子には難しい小さなグラスに水を注ぐという作業を、大きい子がさりげなく手伝ってあげたりします。

丁寧すぎるほどの2週間にわたる慣らし保育期間には、必ず年長さんのひとりが新入りの年少さんのお世話係(Patekind)として参加します。このPatekindの存在は非常に大きく、子供はちょっと大きめなお兄さんやお姉さんに手を引かれ、一緒に遊ぶと、先生とのマンツーマンよりも早く幼稚園の環境や人間関係に馴染めるようになるものだと感心したほどでした。

そして、自分が大きい子に助けてもらった日々の経験は、血となり肉となり、小さい子が大きい学年になった時、自然とその振る舞いができるようになるのです。

IMG_0473また、子供は年長になるといろいろと行動の幅を広げ、自分の権利も増える仕組みになっています。年長さんは自分の意思で、一人で園庭にでて遊ぶことが許可されており、また一人で他のクラスに遊びにいってもいいという特権が与えられています。年長さんだけが参加できるコンピューターを使って遊ぶプログラムや、食育セミナー、クッキング教室、交通ルール教室など、参加できるプログラムも増え、なかなか忙しい園生活を送っていました。子供達は「早く自分も年長さんになって、自分で好きな場所に行けるようになりたい」という年長への憧れを抱くようになります。自由な遊び時間ばかりの幼稚園生活ですが、自分で何をして遊ぶか決めて遊ぶようになります。また、先生は子供の能力に合わせて、計算のゲームで個別に遊んでくれたり、UNOを何人かでやったり、年長さんが飽きないような頭を使う遊びを取り入れてくれており、年長になっても、なかなか刺激的な毎日を送っているようでした。

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ファイルを担任の先生から受け取りました。かなりのボリュームです。

ドイツの幼稚園は、日本の幼稚園と比べてテキトーで子を放置しているという偏見を持っていた私でしたが、3年経った今としては、ドイツの幼稚園を高く評価しています。先生たちも見ていなようで、子供達の性格や能力といったものを日常生活の中できちんと見てくれており、すべて写真と文字で記録したものを、幼稚園最終日にお手紙とともに、。テキトーかと思っていたら、きちんと子どもの成長を見ていてくれたんだなと気づいた時、感謝と感動で胸がいっぱいになりました。

学年でみっちり分ける方が確かに子どもの管理はしやすいけれど、子どもたちにとっては、いろんな年齢の子がいる中にいる方が、学べることが多いのかもしれないと思うようになりました。特に兄弟姉妹が少なくなっている昨今、年齢が異なる子たちと接する機会が否応なしに減っているわけで、そういう意味でも縦割り保育は日本でもアリなのかもしれません。

文責 管理人ひさこ

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