ヒサコラムー森の幼稚園を訪ねる

森で社会性を学ぶ子どもたち

現在の社会では、頭がいいという定義自体が多様化しています。知識の量が多いとか、計算が速いことは、IT化社会ではさほど重要視されなくなりつつあるのです。そんな中、思考力、問題解決能力、表現力が頭がいいという評価のひとつの基準になりつつあります。また、チームワークにおける協調性や判断力、コミュニケーション力なども、実社会で生きていくにあたり、非常に大切な能力であると認識され始めてました。それは世界共通の潮流であり、ドイツも例外ではありません。

教育現場でそれは顕著に現れており、答えが一つしかない問題を出すのではなく、記述式で学生の思考能力や表現力、問題発見力などが評価対象とされます。特にドイツでは、子どもを出来る限り遅く小学校に入学させようとします。小さいうちは、遊びの中でさまざまな能力を学び身につけて欲しいと思っているからでです。勉強はいつでもできるが、価値が多様化している能力を身につける、つまり「学ぶ」ことの土台として、幼児教育で感受性や社会性などを身につけてほしと大人たちは思っているのです。特に幼児教育は、小学校からさらに上の教育機関で思考力、問題解決能力、表現力、協調性といった能力を身につけるための準備の場であり非常に大事なフェーズとしてかんがえられているからです。

この感受性を豊かにしつつ、小学校に上がり、小さくともひとつの社会で生きていくこどもたちに、社会性を育む場として、森の幼稚園は非常に理想的なな保育現場だっので、見学させてもらった森の幼稚園Waldkindergartenをここで紹介したいと思います。

朝の会が行われる丸太

木に記された道しるべ

森すべてが遊び場であり学びの場

森の入り口にある集合場所のWohnwagen

デュッセルドルフ市の認可幼稚園であるため、基本的には保育料は無料です。3歳以上の未就学児が通っています。この緑の森と一体化しているWohnwagenと呼ばれる建物が、唯一の拠点となっており、中には子供達が使う文房具や絵本をはじめとした教材などが保管されています。また、ここの前で皆が集合して、天候などによって、森のどこへ行くかは先生たちが決めます。

森という空間での保育は、一見すると騒ぎ放題、叫び放題でも迷惑がかからなくていいなという印象を受けます。しかし、森だからといって好き放題しているわけではありません。そこには社会の中でのルールがいくつもあり、それを遵守することw子供たちは学ぶのです。

たとえば、森の中でのルールはこんな感じです(私が数時間の見学時のみの観察です)。

1、歩いている時、道しるべに来たら、他の子たちを待たなければならない。
2、人が話しているときに、遮るように発言をしてはいけない。
3、食事中は皆の食事が終わるまで席を立ってはいけないし、騒いではいけない。

普通にお絵描きもできる

そう、ここでは決して野生的に野放しに自由に保育をしているわけではないのです。きちんと、社会的マナーを習得することが期待され、きちんと教育する姿勢が先生方にみられました。ドイツ社会では、特に高等教育を含む学校教育の中で、挙手せずに発言することがマナー違反とみなされる節があります。また、テストの点数だけではなく、授業参加の度合いが成績において非常に重視されるため、小学校に上がっても、きちんと社会的マナーを遵守順応できるよう、森の幼稚園では、きちんと教育されていることに関心しました。人の話を妨げないこと、意見をしたいときは、必ず手をあげること。これは一貫されており、これから社会にでて必要な他者とのコミュニケーションツールとマナーがきちんと教育されている印象を受けました。

ちなみにトイレもないため、穴を掘ってみんなが遊んでいるところを避けて用をたすらしいです。雨が降ろうと雪が降ろうと、どんな天候のときも幼稚園が森である以上森の中で園生活を営む子供たちは、とても頼もしいと思いました。

文責 りんごの木管理人 ひさこ

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