弁護士ヨウデさんに聞く!悪徳鍵業者の対処法!

ドイツの住宅問題その6

ドイツは日本と異なり、家のドアを閉めると鍵がないと自動的に開かなくなってしまいます。私も土曜日の忙しい朝、 買い物に出かけようとバタバタしていたら、うっかり鍵を中にさしたままドアを閉めてしまったことが何度かあります。二重に安全性が考慮されたドアだからとか何とか理由を付けられて、 数百ユーロを請求されました。皆さんも一度はこういった経験があるのでは?今回はこちらの弱みにつけ込んだ鍵屋さんの対処法について弁護士のヨウデさんに聞いてみました!

弁護士ヨウデ: デュッセルドルフ辺りでは最近、鍵屋さんによる高額請求問題が絶えません。ただドアを開けてもらうだけで1000€以上請求された人もいます。消費者センターが2017年に行ったアンケート調査では、平日の営業時間内にドアを開けてもらうというサービスを受けた場合、その料金は70ユーロから120ユーロが平均請求額と報告されています。週末、休日や夜間の場合は追加料金がかかってきます。また問題のドアまでの交通費や部品代も請求内容に入ってきます。

2018年のエッセン裁判所の判決では、日曜日に行った開錠の為のシリンダー交換に対する妥当料金は交通費を含み、300ユーロとし、業者請求額800ユーロの請求は法外で、500ユーロの返金と裁判費用及び原告側弁護士費用も弁償するよう命じられました。

ヒサコ:法外な額を請求してくる鍵屋さんを避けるにはどうしたらいいのでしょうか?

弁護士ヨウデ先ずは万が一の時に鍵屋さんに頼らなくてもよい準備をしておきましょう。例えば、合鍵を信頼のおける人に預けておくとか、会社の借り上げ社宅の場合は、会社の担当者に鍵を置いておくといった対策をとっておくことをお勧めします。

ヒサコ:確かに。鍵屋を呼ばないための対策を練っておくことは大事ですね。それでもどうしても鍵屋を呼ばなきゃいけない事態になってしまったら?

弁護士ヨウデ:先ずは焦らず、冷静になることが大事です。例えば貴方の住居には助けを呼べるハウスマイスターがいるか、どこか家の窓やバルコニーのドアを開けたままにしていないか、誰かに鍵を預けていなかったか、近所で助けてくれる人がいないか等、鍵屋に頼らなくても良い可能性を冷静に考えてみましょう。

  それでも鍵屋を呼ぶ必要がある状況で、休日や深夜に事態が起きた場合は、割増料金の時間帯が過ぎるまで友人宅や宿泊施設に泊まるという選択肢もあるかもしれません。、とはいえ、すぐに家の中に入らなければならない場合は、良心的な鍵屋を探す必要があります。

ヒサコ:良心的な鍵屋さんかどうかを見極める条件などありますか?

弁護士ヨウデ:かつては インターネットの 検索エンジンで「とてもよい」と上の方に表示された検索結果には問題がつきものでした。そこに掲載されている電話番号をみると、地元の電話番号なのですが、 実際電話をしてみると、電話は転送されその時に繋がるドイツ全国展開の良心的ではない支店に繋がってしまうことがあります。2018年にはこのような手口の2つの業者が摘発され、数年の禁固刑を言い渡されました。彼らは法外な請求をしたことで実刑を受けましたが、この判決により鍵屋の不当請求問題が無くなったわけではありません。

ヒサコ:ということは、ネット 検索して上位に出てきたものよりも、地元の鍵屋さんの 方がいいってことですね?

弁護士ヨウデ: 地元の鍵屋さんであれば、近くなので移動費(交通費)が少なくてすみます。最大の利点はやはり、どこの鍵屋さんか明確にできることでしょう。法外に高い請求書を渡せば、出所が明確ですので悪事の抑制になります。

また、 良心的な鍵屋さんは威圧的な接し方はせず、電話の時点で起きた問題を詳しく聞いてくるのが通常です。例えば、単にオートロックがかかってしまったのか、施錠された状態なのか、または特注の防犯用の鍵であるか等の情報をある程度聞きいてくるでしょう。その情報からどれくらいの料金がかかるのか、事前の確認が可能です。

 ヒサコ: もし良心的ではない鍵屋さんが来てしまったら、どう対処したらいいのでしょうか? また、どの様な悪質な手口があるのでしょうか?

弁護士ヨウデ: 例えば開錠前に前払をさせたり、高額前金の為にお客さんをATMまで連れてき、お金を下させるというような悪質な業者がいます。更には、依頼主の客には請求権利があることを無視し、請求書(Rechnung)も領収書(Quittung)も発行してくれない場合もあります。もっと悪質なケースでは、意図的に鍵に損傷を加えて新しい鍵を買わせ、法外な値段を請求するというケースもあります。

ヒサコ:それは悪質ですね。悪質な鍵屋が来てしまった場合私たちはどうしたらいいですか?

弁護士ヨウデ: そういう場合はご近所さんやお友達、ハウスマイスターに来てもらい、鍵屋が 修理している間一緒にいてもらうようお願いするのがとても有効です。また、業者には名刺を貰い、修理作業を開始する前に、電話で言われた修理代を今一度確認することも重要です。

名刺や所属先公開を拒んだり、急に値段を妥当な理由なく上げて請求してきた場合は、その業者が悪質かもしれないと疑っていいと思います。さらに、威圧的にお金を請求してきた場合は、速やかに警察に連絡してください。威圧的なお金の請求自体が、違法になります。

ヒサコ:過去に悪質な鍵業者に引っ掛かったなという場合、今からできることってありますか?

弁護士ヨウデ:法的措置の観点から見ると、高額な支払いをしていた場合はその過払い金の返金を請求することができます。それを可能にするには、支払を証明する請求書や領収書等、貴方がその不当請求に応じたことを証明できる証拠もしくは目撃者の存在が必要になります。

ヒサコ:本日のお話をまとめますと、

  • 鍵屋に頼らなくてもよい状況を事前に整えておく
  • 所在地が確かな地元の鍵屋に依頼
  • 依頼時に、想定料金を確認
  • 悪質と思われる業者に当たった場合には、速やかに助けを求める
  • 証拠書類を保管する

もちろん鍵を家に置いたまま外に出てしまうという事態が起きないようにしたいものですね。でも、どうしてもという時のお話を事前に聞いておくと、非常事態の時に少しでも冷静に対処できる気がします。貴重なお話、ありがとうございました。

Rechtsanwalt René Jorde
ドイツ弁護士 レネ ヨウデ (René Jorde) 住居分野に特化した法務に従事。住居協同組合の役員を歴任。法律事務所では不動産、著作権を中心に人々の生活を法的側面からサポート。
www.rene-jorde.de(日本語のページ有り) Mail: info@rene-jorde.de

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください