みえちゃん不妊治療ルポ

不妊治療レポ

世の中には子どもが欲しくてもなかなかできないご夫婦もいます。こどもを持つ権利は誰にでもあります。そんな夫婦をサポートすべく、現在では不妊治療技術(ART)が向上し、それぞれのステージでの治療法が多様化しています。体外受精(IVF)の成功率も上がりつつあります。ドイツでは、40歳になるまでは、公的保険では50%、私的保険では健康保険会社によりますが、50%〜100%カバーされます。残念なことに、受精率がガクッと低くなる40代からは殆どが自己負担になるそうです。

そんなドイツでの不妊治療を実際に体験したみえちゃんのとても貴重な体験談をご紹介します。前半は大まかな不妊治療についての知識を記載しました。後半はみえちゃんの生体験を綴っています。

タイミング法

まずは産婦人科の先生に排卵のタイミングを教えてもらい、そのタイミングに合わせて自然妊娠を試みます。場合によっては、着床しやすい黄体ホルモン系の注射やタブレット服用によって、妊娠を促す場合もあります。これが第一ステージです。これを半年間続けても妊娠できない場合は、次のステップに移ります。次のステップから紹介状をもらい、専門医にかかります。

大学病院の不妊治療 Uni Klinikum (Kinderwünsch UKD)

予約が取れるまでに半年ほどかかるが、予約が取れてから治療はスピーディー。

日本人の看護師さんが対応してくれる

https://www.uniklinik-duesseldorf.de/patienten-besucher/klinikeninstitutezentren/klinik-fuer-frauenheilkunde-und-geburtshilfe/unsere-zentren-spezialabteilungen/unikid-kinderwunsch

大手の専門病院 VIVA NEO (Kinderwünschzentrum Düsseldorf)

予約が比較的取りやすい。

英語又はドイツ語が話せない人は、プロの通訳さん(有料)に依頼する必要がある。

https://vivaneo-ivf.com/de/kinderwunschzentrum-duesseldorf/?gclid=CjwKCAjw19z6BRAYEiwAmo64Lcd4Jb2SynB5MA7_Q_Et9qAQjfr3tvZn4P0gVytktfC6TGedZIXCixoCQLEQAvD_BwE

不妊治療外来でやること

○残っている卵子の量を測る

血液検査によって、抗ミュラーホルモンの値(AMT)という、あとどれだけ卵が残っているか予測がつく値を調べます。40歳だと新基準2、44ng/mlなのですが、みえちゃんは0、34という驚異的な低い数値であることがここで発覚しました。つまり、卵がほとんど残っていないということが判明したのです。

●精子特性分析レポート

夫の精子の密度や動きを測ってもらいます。実は男性不妊の割合は相当高いにもかかわらず、男性はあまり病院に行きたがりません。なんとか重い腰を上げてもらい、精子の検査へ行くことが大事なステップとなります。

※男性の精子は鮮度が命のため、クリニックの小部屋で精子を出してもらいます。その部屋にはいろいろな性的嗜好の方のために、いろいろな嗜好のビデオが用意されており、壁には抽象的で妄想を駆り立てる裸婦のスケッチが飾ってあるそうです。

みえちゃんの場合は、卵子と精子の状況を鑑みて、卵子が非常に少ないけれども、精子は良いため、体外受精をすることになりました。精子の状態が悪いと、顕微授精の可能性が高いそうです。

〇体外授精(IVF)

体外受精とは、シャーレ上で卵子と精子を出合わせる方法。精子が自ら卵子に侵入することで受精が起こります。

〇顕微授精(ICSI)

顕微授精とは、卵子の中にピペットという細い器具を用いて、1個だけ精子を注入して受精させます。顕微鏡を使用するため、顕微授精と言われています。

〇胚移植(ET)

こんどは培養した胚の中から1個の胚を子宮内に注入!受精卵をお腹にかかえて飛行機に長時間乗るのはよくないので、なるべく安静にすることが大事だそうです。

では具体的にはどんな流れなのか?????

みえちゃんは生理がきたらまず、通訳さんに連絡をしてクリニックの予約を取ってもらいました。そして、クリニックでは卵子を育てるためのホルモン注射Gonal-Fを打って先生が反応を確認。なかなか夫の出張や夫婦での旅行が入っていたりと、タイミングが合わないと焦ります。なにせ1年に女性は最大で12回しかチャンスがないのですから!

その後も、不妊治療は女性がたくさんのホルモンやらなんやらと注射を打ちます。卵子が育った状態で、卵子が成長して、それが出てこないように人工的に留めておくという注射も打ちます。そういった注射は処方箋を持って、薬局へ買いにいくのですが、とにかく高い!1回の不妊治療で薬だけでも15万円くらいはかかります。

みえちゃんは、2個卵子が確認されたので、両方採卵しました。平均で7個ほどが取れるそうです。採卵はとにかく痛い!施術台で痛みに耐えて、かつ自費でした。これから不妊治療される方に伝えたいのは、費用かさんでも、麻酔をしたほうがいいということです。ちなみに、全身麻酔は4万円ほどです。次回は絶対にケチらないと断言するほど、激痛だったそうです。オランダでは麻酔をしませんからという先生の言葉に騙されてしまった。。。。と呟いておられました。

みえちゃんは、卵子を採取する際に卵子が2個しか取れなかったうえ、1個は成熟していなかったので使用できる卵子は1個でした。その時点で受精率が下がりますが、イキのいい精子を注入したおかげか、なんとその1個が受精することができました!!!!(たくさん受精した場合は、残りを凍結保存しておきます。が、もちろん、凍結保存には費用がかかります。)

その後は着床しやすいよう、DupHaston 10mgで子宮の膜を厚くしていきます。

そして、いざ、採卵と精子採取の日!

精子はフレッシュである必要があるので、精子の採取と卵子の採取は同時におこない、その後、鮮度のいいその日取れたて精子を卵子にふりかけて、体外受精をします。みえちゃんの場合は、イキの良い精子を卵子の中に入れ込む顕微授精を行いました。

顕微受精をして、無事受精卵が出来たら、それを生のまま(冷凍しない)で、胚盤胞のステージ(内細胞塊)になるまで培養をして、受精卵が成長して、胚になったところで、体内に戻していきます。その後、次の生理が来なければ、着床成功となります。着床しやすいように、黄体ホルモンを飲み続けていきます。陽性だったら、着床しているので、不妊治療院で陽性確認をした後、そのまま町の産婦人科に戻り、妊婦としての生活が始まります。

が、みえちゃんは、残念ながら生理がきちゃいました。牡蠣にあたって、すべてを出したのが敗因かも。。。とおっしゃっていました。結果、今回の不妊治療はトータルで40万円ほどかかったそうです。

もう一度やろうと思い、血液検査をしましたが、血液中のホルモンの値が悪く、先生の判断で今回はやめるように言われたとのこと。最近は養子縁組なんかも視野にいれているそうです。不妊の原因も人さまざまですし、治療法も一筋縄にはいかないと思います。夫婦で話し合いを重ねて、支えあいながら、前に進めるといいですね。

みえちゃん、貴重なドイツでの不妊治療体験をインタビューさせていただき、ありがとうございました。ぜひ、不妊で悩んでいる方は参考にしてみてください。

話し手: みえちゃん&聞き手:りんごの木管理人ヒサコ

みえちゃん不妊治療ルポ への1件のフィードバック

  1. さよ のコメント:

    すみません。すごく長文になってしまいました。
    不妊治療に関する記事、ありがとうございました。
    私も2019年より不妊難民の36歳です。私は、1回目は新鮮胚(4細胞胚)移植、陰性。その後自分なりに一生懸命、情報を調べて、2回目からは胚盤胞(5日目胚)移植を希望していましたが、医師は新鮮胚を進めてきて、渋々それを受け入れて、結果、陰性。しかも、一回目は私の子宮頚部の屈折のせいもあってか、移植時にカテーテルが折れてしまったことを、二回目の採卵直前の診察で聞かされました。(一回目の医師は休暇中だったので、院内のほかの医師が二回目を担当)おそらく、確実に胚が子宮内に戻ってなかったのでは(医療ミス?)と、判断できなくもありません。ドイツでは3回までは保険適用だから、患者の負担はないから、ミスをしても大丈夫とでも、思ってるのでしょうかね。そのあと、病院を替えるのに、医療履歴をもらいましたが、カテーテルが折れ曲がってしまった事は、どこにも書かれていませんでした。
    三回目から新しい病院、またもや、胚盤胞希望は受け入れられず、陰性=保険適用終了。新しい検査。4回目はやっと希望の胚盤胞移植を受け入れてくれましたが、陰性。またもや、違う検査で、子宮内膜炎発覚。5回目胚盤胞移植、陰性。ERA検査、失敗。
    6回目、陰性。ERA検査、改めてトライするも、失敗。
    高齢+AMHも低いので、すごく焦るのですが。病院が年末に完全休暇を取ったので、タイミングが合わず、二か月ほどお休みしています。
    その間に、えみちゃんさんからの情報の Vivaneoに転移も考慮して話を聞きました。ですが、日本で主流の胚盤胞の凍結は法律上の規制で、できないとの事。凍結は細胞分裂前の胚のみできるそうです。(ネット検索したところ、確かではないですが、バイエルンの方の病院では胚盤胞凍結できるみたいです。)
    これを聞いたときに、私の1回目の結果もあってか、不妊治療の高額治療病院もビジネスしてるのかなっと、少し落胆しました。
    というのも、卵ちゃんの中に精子が入っただけでは、そのあと核分裂、つまり受精卵になる確率はさほど高くありません。核分裂が始まっても、胚盤胞まで育つ確率は子宮内であっても、培養液の中であっても変わりなく50%だそうです。ドイツの方法で、凍結するという事は、高額を支払って受精できない卵も含めて凍結しないといけない。当然その中から2,3個回答しても、細胞分裂し始める卵は少ない。もし、その解凍した胚すべてがダメになれば、その周期は移植できず、それまでの診察代だけがかさむ。運よく細胞分裂が始まっても、着床できる胚盤胞までは50%の確率。新鮮胚と同じく4分割の胚を移植したところで、その胚は8分割胚で、成長が止まるかもしれない。そうなると、余分に移植費用がかさむだけ。
    なぜ、1回目の治療に取り掛かる前に、もっと検査を薦めないのでしょうか。なぜもっと効率の良い凍結胚盤胞移植をすすめないのでしょうか。医師がそれを薦めないのなら、この情報社会、きっとどこかに記事として、データとして、その理由が見つけれるはずなのに。
    凍結胚盤胞移植をしに日本へ行きたいですが、仕事も、コロナもあって、無理そうです。ですが、今回の不妊治療体験談、勉強になりました。不妊治療で精神的にも幸せになる人が増えますように。

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