障がい児の教育環境

自閉症の子が描いた絵。https://i1.wp.com/abahaffy.com/wp-content/uploads/2017/10/leaf0359.jpg

デュッセルドルフには、年々、障害児のためだけに特化した学校は減少しています。特に学習障害児などは、補助員をつけて通常の学校に入ってもらう傾向にあり、学習障害児の学校は削減されました。とはいえ、現在でも特別支援学校や盲学校などが8校以上デュッセルドルフにあります。

  1. NRW州(主にデュッセルドルフ)における障がい児の教育環境

(まずは住民票をドイツに移す必要があります)

かかりつけの小児科で発達遅れの可能性があるなど気になる点がある場合、医師により近くのSPZ(Sozialpädiatrisches Zentrumや療育機関)を紹介される。

SPZのアポ取り(半年先などの予約になるので早めに連絡をとることをおすすめします)

SPZでは、テラピストなどの専門家に子供のIQ等を見てもらう。

SPZから勧められる幼稚園や学校のアポ&訪問。

  • 障害の度合いによって、勧められる教育機関などが特に無い場合には、市の児童福祉課(Jugendamt) に連絡を取り、担当者と相談しながら学校を決めていくか、自分で行かせたい学校に直接連絡を取る。
  1. ドイツの障害児への教育環境

【幼稚園・保育園】

こちらでは、縦割り教育が主流で、各都市には、障がいのある子を受け入れている園(Integrative =統合教育 Kindergarten, Kindertagesstätte)がたくさん存在します。デュッセルドルフ市には、数は少ないものの障がい児のみを預かる園もあります。そういった施設では、各種療法士が勤めていたり、外部から定期的に指導に来たり等、療育の環境がしっかり整っているところも少なくありません。療育に関しては、また改めて記述する予定です。

通常、Integrativのクラスでは、15人に5人の割合で何らかの障がいのあるお子さんがいます。また、多くの場合、障がい児教育の国家資格のある方(Heilpädagoge/-pädagogin)が担任になります。また、市の財政補助により専属のヘルパー(Kindergartenassistenz)を付けることも可能です。そのクラスは、先生の他に、お世話をしてくれる方が多めに配置されています。

それぞれの施設では、障がい児の受け入れ枠を設けていますが、デュッセルドルフ市では、そもそも障がいの有無に関わらず、園によっては入園競争率が高くなっています。義務教育ではない為か、実際、希望するどこにも入園できないというケースも出てきます(特に3歳以下は壮絶な争いです)。ただ、他にもKinderbetreuung in Tagespflegeという制度があり、Tagesmutter、–vaterという資格を取得した人が、数人単位で主に自宅で保育してくれます。中には、別に場所を借りて、もっと大規模な運営をしている方もいますし、障がい等のある子を預かっている方もいます。

費用に関しては、いずれの場合も、3歳以上は食事代のみ自己負担で、3歳以下の場合は、収入により負担額が変わります(あくまでこれはデュッセルドルフ市の政策であり、他市では政策が異なります)。

【小中学校】

ドイツ国内では近年、障がいの有無に関係なく、もっと言えば、性別、宗教、所得等、あらゆる条件に関係なく、全ての児童に平等の就学機会をというInklusionと呼ばる考え方が主流になりつつあり、デュッセルドルフ市でも、特別支援学校の将来的な廃止を念頭に、教育政策が進められています。しかしながら、実際には、政治主導による枠組みばかりが先行し、現場はそれに付いていけておらず、特に経験の少ない学校の多くで、混乱が起きているのが現状です。市政の状況により異なりますが、今のところ市内の特別支援学校は、当面は存続されることになりました。

 

こちらの学校には、日本のように特別支援学級は存在しませんが、一部では、普通級に通いながら、週の何時限かは障がいのある子供だけで、一般の生徒とは別の課題をこなすというやり方を採用している学校もあります。どの家庭にも、学校を選択する権利がありますので、必要と認められれば、市の財政負担によりヘルパー(Integrationshelfer/-helferin)を付けたり、個々に必要な支援を受けることが可能です。ただ、現実には、尻込み気味の学校も多く(拒否権はないので、遠回しに断られる)、必ずしも希望通りに受け入れられているとは、言い難い部分があります。

別の選択肢として、特別支援学校があります。こちらはクラスの人数も10名前後と小規模で、通常、担任が2〜3名と雑用補助スタッフ、更には、市に必要と認められれば、個人専属、もしくは数人まとめて1人のヘルパーが付き、個人個人に合った課題やセラピーを含めた時間割が組まれます。特別支援学校へは、原則として送迎バスによる登下校になります。

ドイツの学校制度は日本に比べてかなり複雑ですが、参考までに、デュッセルドルフ市の知的がい対象の支援校の場合、初等部が5年、中等部が3年、高等部が2年、職業訓練部が2年となっています。場合によっては、数年の留年も可能です。

それから、学年の切り替わりですが、こちらは8月になっており、園児は7月末付けで卒園となります。(夏休みの影響もあり、実際には、だいたい7月前半には卒園式がある)ただし、入学対象となる子供(schulpflichtige Kinder、通称Muss-Kind)は、州によって大きく異なりますが、NRW州では原則として、9月末の時点で6歳になっている子と定められています。

 

かつては親の意向で決められた就学猶予は、現在非常に難しくなっており、癌などの重い病気やケガ等、よほどの理由がなければ、なかなか認められません。一方で、飛び級は今でも存在し、就学可能と認定されれば、入学を前倒しすることができます。また、海外からの転入の場合は、1、2年学年を下げての編入も、比較的簡単に認められます。支援校では、たいていの場合、縦割り編成ですので、日本での学年は、特に問題にはならないと思われます。

3.障害児を持つママたちの体験談&アドバイス

Aさんのケース

 

Rさんのケース

子供によっては、通常の学校で補助員をつけてやっていくことができるが、我が家はそれを視野に入れずに、特別支援学校へ入れた。結果として、少人数で自分の子どもにあったカリキュラムを作ってくるため、子どもも楽しく通っているので、みんなハッピーです。

ASOBO(www.asobo.de)主宰の山片さん ↓ 文字から山片さんのブログに飛べます。

アスペルガー症候群の診断を受けたお子さんの体験をもとにドイツの子供支援システムについてかいていらっしゃいます。

Kさんのケース

重度自閉症の子を持つ駐在ママの体験記〜アメリカ〜日本〜ドイツ